◆ 元の意味(古代)
天子・王者の印。玉に刻んだ権威の標。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ji
画数
19画
成り立ち
形声
部首
たま
分類
常用漢字
天子の御印、玉に刻まれし権威。
ORIGIN
「璽」は「玉」を意符、「爾」を声符とする形声文字で、もとは「鉨」「鈢」とも書かれ、印章一般を意味した。許慎『説文解字』玉部に「璽、王者の印なり。所以て土を主むるなり。玉に从ひ爾に声す」とあり、秦の始皇帝以後は天子の印にのみ用いられる字となった。古くは諸侯・大夫の印も璽と称したが、秦が六国を統一した際、皇帝の印を「璽」、臣下の印を「印」と区別して定め、以後二千年にわたり「玉璽」は天子の権威の象徴となった。白川静『字統』では、璽は本来卩(ふしづくり、印を押す動作)と関わる字であり、玉に文字を刻して権威の証とした古代王権の制度に由来すると解説する。和氏の璧を磨いて作られたという「伝国の璽」の故事は有名で、玉璽の所在は王朝の正統性そのものを表した。藤堂明保『漢字源』は、ジの音が「爾(しるしを示す)」と同系で、はっきりと示し顕すという音義を持ち、玉偏を加えることで「玉に刻まれた最高の権威の標」となったと述べる。日本では天皇の御璽・国璽として今も用いられ、勅書・国書に押される神聖な印を意味する。命名には用例が稀だが、最高の権威・確かな証・揺るぎない正統の象徴として字義は重い。
構成要素
爾 + 玉
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
天子・王者の印。玉に刻んだ権威の標。
天皇の印、しるし、印章。
★揺るぎなき正統と、権威ある存在の確かなる証。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。