◆ 元の意味(古代)
本義は陰暦の月の第一日、すなわち新月の日を指す。月が満ちて欠け、ふたたび姿を現す瞬間を起点とする太陰暦の核心となる日であり、古代中国では王朝が暦を頒布する「正朔」が支配の正統性を象徴したほど、暦学・政治上重要な概念であった。
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KANJI ETYMOLOGY
Saku
画数
10画
成り立ち
会意
部首
月部
分類
人名用漢字
「朔」は「屰(逆)」と「月」から成る会意字で、月が一巡して再び始まる新月=月の初日を本義とする。「ついたち」を意味し、新たな始まりと再生を象徴する一字として親しまれる。
ORIGIN
「朔」は金文の段階から見られ、左の「屰(ぎゃく)」と右の「月」を組み合わせた会意字として成立した。「屰」は人の足が逆向きになった形を象った象形で「さからう・もどる」の意をもち、「逆」の本字とされる。「月」は欠けた三日月を象った象形で、月そのものや月の運行・暦を示す。両者が合わさって、満ちて欠けた月が再び元へ戻り新月となる、すなわち月相が一周して始点へ復帰する日を表したのが本義である。許慎『説文解字』に「月一日始蘇なり」とあり、月が再び姿を現し始める日=陰暦一日(ついたち)を意味した。古代中国の暦では新月の朔日が月の始まりとされ、王朝が定める暦法を「正朔」と呼んで政治的権威の象徴ともなった。日本でも陰暦の「朔日(ついたち)」「朔旦冬至」など重要な暦語として用いられ、「北方」「はじまり」の意も派生した。
構成要素
左の「屰(ぎゃく)」は人の足が逆向きの形を象った象形で「もどる・さからう」の意を担い、月が一巡して戻る意を示す。右の「月」は三日月を象った象形で月相・暦を表す。両者を組み合わせ「月が原点に還る日」を示す会意字。
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MEANINGS
本義は陰暦の月の第一日、すなわち新月の日を指す。月が満ちて欠け、ふたたび姿を現す瞬間を起点とする太陰暦の核心となる日であり、古代中国では王朝が暦を頒布する「正朔」が支配の正統性を象徴したほど、暦学・政治上重要な概念であった。
現代では陰暦の朔日(ついたち)・新月を指す語として用いられるほか、「朔風(北風)」「朔北」のように北方を意味する用法、「朔望(新月と満月)」など天文・暦の専門語に多く現れる。文学的には「始まり・原点」を象徴する古雅な響きを担う字として親しまれる。
新月のように新たな門出を清らかに迎え、何度でも始まりを刻める柔軟さと力強さをもってほしいという願いを込めて用いられる。古典的で凛とした響きをもち、近年は男児名で人気が高まり、「朔」「朔也」「朔太郎」など知的で落ち着いた印象を与える。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。